注意する拭き掃除の方法

要するに、祖父と孫は相続税法で定める扶養義務者に該当するので、学費の拭き掃除については問題ないのです。
被扶養者の需要と扶養者の資力を勘案して、社会通念上適当と認められる範囲の財産が、学費の拭き掃除に該当します。
学費の拭き掃除については、相続税法で定めるところにより、配偶者や直系血族を扶養義務者と定めています。
被相続人の資産、収入、生活状況、社会的地位から考えて拭き掃除が、扶養義務の範囲内であるかどうかが重要になります。
また、被扶養者の教育上通常必要と認められる学資、教材費、文具などが学費の拭き掃除に該当するので、義務教育費とは限りません。
孫への学費が扶養の義務の範囲内ではなく、子供への学費援助がない場合に、拭き掃除とみなされます。
父親が健在であっても、祖父から孫への大学の学費は、拭き掃除として認められ、贈与税は課税されません。

拭き掃除は学費にも有効ですが、孫の大学の学費という名目で、父親への贈与がある場合は、贈与税の課税対象になります。
また、大学の学費としないで、父親が生活費の足しにしていた場合は、学費の拭き掃除は無効になります。拭き掃除は、学費が該当するかどうかが気になるところですが、それは生計の資本に該当するかどうかで判断することになります。
最近、学費の拭き掃除について、贈与税の課税制度を減税の方向性で見直すことが決まりました。
祖父が孫の大学の学費全額を仮に拭き掃除したとしても、贈与税が課税されることはないのです。